ノルウェイの森 感想

開発秘話&ブログ

ノルウェイの森を手に取った理由は、最近、全てが虚ろでボンヤリしてるから興味のまったくないジャンルの本でも読んでやろうかな……。
なんて、やさぐれた気持ちでのチョイスでした。



『ノルウェイの森ってビートルズの曲のなんだ』と初期情報ゼロからのスタート。
先に曲を聞いたけどメッチャいい感じ。
気だるい感じで、でもなんか期待しちゃうような不思議な旋律。



そして同書は、この曲の雰囲気ずっと進んでいった気がする。
僕自身虚ろな感じだったけど、この本を読むともっと虚ろで灰色な気分になりました。



一番記憶に残ってることは、死んだ人は年をとらないってこと。いつ思い出しても死んだ時で止まっちゃうってこと。30歳過ぎたぐらいから誕生日とかに『これからも一緒に年を取りましょー』的なことを言っていたけど、思ってたより素敵なことを言ってたんだなぁと気付かされた。


あと、手紙を書きたくなり、ついでにお酒も飲みたくなる。





こっから下はネタバレもあるのであしからず。




僕は自殺は絶対に駄目派だが、直子の死について考えた時にその“絶対”が揺らぎました。
直子は病気もあるけど、純粋にキズキに会いたかっただけなんじゃないのかなって。だから、キズキに会うために自殺という方法を取った。と思うと……僕が持ってる自殺の概念と違うというか、これまで一切自殺を美化した事はなかったのに、初めて「ありなんじゃ……?」と考えさせられてしまった。
直子はキズキとワタナベ君とで迷い、キズキのもとに行ったけど、直子は死にたくなかったからワタナベ君を好きになろうとしたのかな……? 


まぁ直子はいいよ。



私は完全に緑派なのだから。
もう文章だけで可愛いし、これをおっさんが書いてるなんて信じたくなかった。
緑の家で火事を見た後のキスと、物語最後のレイコさんとのSEXはとても素敵だと思った。
特にレイコさんとのSEXは最高だと思う。
文字にすれば、過去に蹴りをつけて、同じ気持ちの2人が新しい旅立ちの前に祝杯をあげるため! みたいな感じだろうが、言葉にせず「結果その晩に4回もやった」的な落とし込みで爽やかな感じだった。



そして気づくと、灰色で虚ろだった私の日常もひどくスッキリしているではありませんか!!



村上春樹が称賛されてるのってこういうところ? 凄いぜはるちゃん。 上にも書いたけど、自殺についての“絶対”にメスを入れてくるあたり名著って奴なんだろうね。



物語の良さは余韻の長さに比例すると思ってるけど、かれこれ2日ぐらい頭の中でノルウェイの森が流れっぱなし。



疑問なところはぼちぼちある。
緑のパパの死ぬ前のメッセージの意味や、キズキの死んだ理由。直子とSEXできないから自殺したのか? それならちょっとないわ、男的に。あと、突撃隊が大学をやめた理由もクエスチョンだし、バイトで手を切ったのはストーリー的になんか意味あったのかな? ハツミさんの家に行きやすくするため? 

なーぞー。

普段は特殊な能力を持った殺し屋の話や、魔法学校やら、ファンタジーな話ばかり読んでいる鴨川だが、ノルウェイの森は星4.5個はありました。



是非読んでる人と語らいたい。




そして最後にこれだけは言いたい。





映画は見ないほうが良い。
緑役の人は可愛かったけど。
それだけだ。

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